下垂体性PRL分泌亢進症(指定難病74)

かすいたいせい(PRL)ぶんぴつこうしんしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

授乳していないのにお乳が出ます。放置しておいてもよいですか?

下垂体に問題があるのか、薬剤の副作用なのか、乳腺自体の問題なのかなど原因をはっきりさせるため、専門医にご相談ください。下垂体性PRL分泌亢進症(プロラクチノーマ)では、高プロラクチン血症により不妊症となったり、下垂体腫瘍による視神経の圧迫で視力視野障害をきたすことがあります。

胃潰瘍の薬を飲んでお乳が出るようになりました。どうしたらよいですか?

プロラクチノーマ以外で乳汁分泌を来す原因として、胃潰瘍治療薬や向精神薬などの薬剤により血中のプロラクチンが上昇し、乳汁分泌を来すことがあります。処方してもらった担当医に申し出てください。薬の影響と考えられる場合には薬剤を中止したり、プロラクチン分泌に影響が少ない他の薬剤に変更することがあります。

 プロラクチノーマと診断され手術を勧められました。どうしたらよいですか?

プロラクチノーマでは、ドパミン作動薬の内服で高プロラクチン血症が改善し下垂体腫瘍が縮小することが期待できますので、薬物療法が第一選択です。しかし、下垂体腫瘍内に出血して視力や視野に異常をきたした場合や、鼻から透明でサラサラな液体(髄液)が出てきた場合は、緊急手術の対象となります。また、一部の薬が効かない腫瘍や副作用のため薬の継続が困難な場合には外科治療を行います。腫瘍の大きさなど一定の条件を満たしたプロラクチノーマは、熟達した脳神経外科専門医による外科的摘出で治癒が期待できますので、専門の先生にご相談下さい。

ドパミン作動薬内服中に妊娠しました。どうしたらよいですか?

妊娠が判った時点で、現在内服している薬剤を中止し、担当医の診察を受けて下さい。妊娠判明後のドパミン作動薬の服薬中止でプロラクチノーマが大きくなることがありますので、妊娠中の通院治療に関して担当医との相談が必要です。

プロラクチノーマに対してドパミン作動薬を3年以上服用しています。いつまで服薬するのですか?

服薬中止を検討できる条件として、ドパミン作動薬による治療を2年以上継続することにより、血中プロラクチンの正常化と下垂体MRI検査で腫瘍の消失がみられた場合が挙げられます。プロラクチノーマが大きい場合はドパミン作動薬の服薬中止で下垂体腫瘍が大きくなる可能性があるため、自己判断での服薬中断は避けて下さい。

 

情報提供者
研究班名 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班
研究班名簿 
情報更新日 令和4年12月(名簿更新:令和6年6月)