CFC症候群(指定難病103)
1. 「CFC症候群」とはどのような病気ですか
細胞内 Ras/MAPK シグナル伝達経路に存在する遺伝子の先天的な変異によって、成長・発達障害、精神発達遅滞、薄い眉毛や側頭部狭小などの特徴的な顔貌、脆弱でカールした毛髪、湿疹・角化異常・魚麟癬などの皮膚症状、 先天性 心疾患、肥大型心筋症、てんかん、斜視、頭蓋骨早期癒合症、下腿浮腫などがみられる疾患です。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
国内外を問わず、実態はまだ不明なところが多いです。国内では100人位ではないかと推定されます。
3. この病気はどのような人に多いのですか
先天性の病気ですので小児期に気づかれますが、成人でもみられます。性差はありません。
4. この病気の原因はわかっているのですか
約半数強の患者で、KRAS、BRAF、MAP2K1(MEK1)、MAP2K2(MEK2)遺伝子のいずれかに先天的な変異が認められます。現在は遺伝学的検査が保険収載されています。遺伝学的検査を受ける際には、医療機関受診と遺伝カウンセリングが必要です。
残る患者さんでは、病因遺伝子はまだ 同定 されていません。これらの遺伝子からつくられるたんぱく質は細胞内Ras/MAPKシグナル伝達経路に関係しますが、その変異がなぜ発達障害や種々の臨床症状をきたすかについては解明されていません。
5. この病気は遺伝するのですか
お子さんがCFC症候群である場合には、その弟妹がCFC症候群として産まれてくることは稀です。将来、患者さんの子供がおなじくCFC症候群である確率は50%です。遺伝について、ご不安な点がある場合、臨床遺伝専門医などの 遺伝カウンセリング を受けられることをお勧めいたします。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
成長・発達障害、精神発達遅滞、てんかん、薄い眉毛や側頭部狭小などの特徴的な顔貌、脆弱でカールした毛髪、湿疹・角化異常・魚麟癬などの皮膚症状、先天性心疾患、肥大型心筋症、斜視、頭蓋骨早期癒合症、下腿浮腫などが認められます。悪性腫瘍の合併はまれと考えられています。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
根本的な治療法は知られていません。患者さん1人1人で症状の組み合わせや強さは違いますので、症状に対する対症療法がおこなわれます。心疾患や悪性腫瘍の早期発見と早期治療が、その後の症状の改善に有効です。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
成長障害・知的障害や先天性心疾患、肥大型心筋症、骨格異常が合併しますので、長期にわたって通院や治療が必要な可能性があります。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
特に乳児期には哺乳障害が強いためチューブでの栄養が必要になることもありますが、次第に改善を見ます。栄養・成長・発達、視覚、聴覚、心臓、骨格の診察などを定期的に病院で受け、必要な治療を受けていくことが重要です。発達の遅れに対しては療育が重要です。
10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。
心臓・顔・皮膚症候群
研究班名 | 患者との双方向的協調に基づく先天異常症候群の自然歴の収集とrecontact可能なシステムの構築班 研究班名簿 |
---|---|
情報更新日 | 令和6年2月(名簿更新:令和6年6月) |