肺胞低換気症候群(指定難病230)
はいほうていかんきしょうこうぐん
- この病気では、睡眠中に呼吸する換気量が極端に少なくなったり、呼吸が止まったりすることがあります。そして、この睡眠中の呼吸異常により体の中で産生された二酸化炭素を排出できず、どんどんたまってしまい、日中まで血中の二酸化炭素分圧が高くなり、その結果として身体の組織が酸性側(pHが7.40よりも低い値になる)になり、さらに酸素不足の状態となり、色々な症状が出現し、生命までも脅かすようになります。根本的な治療法が未だ明らかになっていないので、いったんマスク人工呼吸(非侵襲的陽圧換気療法)が治療として開始されたら、継続的に毎日行う必要があります。
フェノタイプBの患者さんは、状態が改善した場合には、マスク換気の方法を変更した方が良い場合もありますので、主治医の先生に相談して下さい。
この病気になりマスク人工呼吸が開始されたら、一生涯マスク人工呼吸を行うのですか。
- 前の質問でもお答えしましたが、睡眠中の呼吸の方が覚醒中の呼吸よりも呼吸する量が少なくなり、血中の二酸化炭素量がたまりやすい状態になっています。この病気になりますとその状態が顕著になります。従って、マスク人工呼吸は夜間睡眠中に行うことが最も効率的と考えられています。しかし、何らかの理由で夜間の施行時間が短い時には、日中に不足分を行うことはよい対処法と考えられています。