ウエスト症候群(指定難病145)

うえすとしょうこうぐん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

乳児で寝入り際や覚醒直後に時々手足をぴくっと動かせるエピソードを繰り返します。ウエスト症候群ではないでしょうか。

てんかん性スパズムの特徴は四肢を左右対称性に一瞬、固くする発作を5-40秒毎に繰り返すことです。単発のことは稀です。またいろいろ刺激を与えても同じ発作を繰り返し終了まで続けます。抱っこしたりつねったりする刺激でこのエピソードが中断する場合にはてんかん性スパズムではないと思われます。

ウエスト症候の診断でACTH治療を行い発作はなくなりました。最近、黒目が急に下に行ったり、横にいったりすることが気になります。

ウエスト症候群患者では、視力障害による眼振を合併することがあります。その場合には固視、追視が弱く眼球があっちこっちに移動することがあります。これは弱視により固視ができなくなるためにおきますので、発達とともに徐々に改善する場合があります。またこの眼球異常が5-40秒毎に繰り返す場合には軽微なてんかん性スパズムの 再燃 という可能性もあるので脳波検査を施行してみましょう。

ウエスト症候群で治療により発作も脳波もよくなりましたが、発達がおもったように伸びません。どうしてでしょうか。

大脳の疾患がもともと 重篤 な患者ではウエスト症候群が軽快しても発達は思うように改善しません。それはもともとの脳障害による発達の遅れが原因だからです。

ACTH治療もビガバトリン治療も行い、発作は減少しましたが、まだ時々続いています。どうしたらよいでしょうか。

ACTH 治療やビガバトリン治療に抵抗性のウエスト症候群の治療法はいろいろ試みられています。他の抗てんかん発作薬治療、ケトン食治療、てんかん外科治療、迷走神経刺激療法などです。

ウエスト症候群でACTH治療を受け、発作は抑制されました。予防接種はどうしたらよいでしょう。

ACTH治療後は6カ月程度の期間を開けて予防接種が推奨されています。

 

情報提供者
研究班名 稀少てんかんの診療指針と包括医療の研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年11月(名簿更新:令和6年6月)