間質性膀胱炎(ハンナ型)(指定難病226)
1. 「間質性膀胱炎(ハンナ型)」とはどのような病気ですか
間質性膀胱炎(ハンナ型)とは、膀胱に原因不明の 炎症 がおこり、それによって尿が近い、膀胱や尿道に違和感や痛みがおこる、などのつらい症状がでる病気です。膀胱の内視鏡ではハンナ病変と呼ばれる特有の粘膜の異常がみられます。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
日本間質性膀胱炎研究会の調査によると、間質性膀胱炎(ハンナ型)の患者数は日本全体で約2000人とされていますが、実際はもっと多いと思われます。
3. この病気はどのような人に多いのですか
男女比は約1:5と、女性、特に中年以降の女性に多いです。
4. この病気の原因は何でしょうか
膀胱の粘膜を覆っている細胞や免疫系の異常が疑われています。しかし、はっきりとした原因は見つかっていません。
5. この病気は遺伝するのですか
遺伝するとは考えられていません。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
症状が軽いと、トイレが近い、尿がたまってくると膀胱に違和感がある、という程度です。しかし症状が強くなると、1時間に何度もトイレに行く、膀胱に強い痛みを感じる、痛みが膀胱だけでなく尿道や下腹部全体に広がる、などとなります。その結果、生活に非常に大きな支障を来たし、精神的にも大きな負担となります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
根本的な治療法はありません。内視鏡を使ってハンナ病変を電気メスで焼けば症状がかなり改善します。必要であれば、何度か繰り返すこともできます。ほかには、症状を和らげる方法として鎮痛薬や神経の興奮を抑える薬を使うことがあります。膀胱の中に薬を入れる方法もあります。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
多くの患者さんで、上記の治療によって症状は改善しますが、完全に良くなることは難しく、仮に良くなっても再発することも多いです。そのため、経過観察を続けることが必要となります。一部の患者さんでは、炎症が進んで膀胱が固く小さくなり強い痛みが続くことがあります。その場合は、膀胱の摘出が必要になることもあります。ただし、ガンなどとは異なり、命に別状は来たしません。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
辛い食品などを食べると症状が悪化することが知られています。唐辛子やわさび、マスタードなどの刺激物は避けたほうが良いでしょう。コーヒーやかんきつ類も、それを取ると症状が悪くなる人がいます。精神的なストレスで症状が悪くなることも知られています。ストレスを避け規則正しい生活を心がけましょう。
10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。
間質性膀胱炎、膀胱痛症候群。
11. この病気に関する資料・関連リンク
日本間質性膀胱炎研究会ホームページ
http://sicj.umin.jp/
研究班名 | 間質性膀胱炎の患者登録と診療ガイドラインに関する研究班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和4年12月(名簿更新:令和6年6月) |