若年発症型両側性感音難聴(指定難病304)

じゃくねんはっしょうがたりょうそくせいかんおんなんちょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

補聴器や人工内耳以外の治療法はありませんか?

残念ながら、現在までに難聴を根本的に治す有効な治療法は確立されておらず、聴力に応じて補聴器あるいは人工内耳(残存聴力活用型人工内耳を含む)を用いて聴こえを補う治療が行われています。補聴器や人工内耳を活用することで、日常の会話やコミュニケーションを行うのに十分なレベルの聴こえが得られます。また、いくつかの原因遺伝子に対する遺伝子治療に関する研究も進められていますが、現時点ではまだ研究段階でありその有効性・安全性は確立していません。
既に難聴によって日常生活に支障をきたしている場合は、補聴器や人工内耳による早期治療をおすすめします。

遺伝学的検査(遺伝子検査)はどのような検査ですか?

平成30年11年より若年発症型両側性感音難聴の原因遺伝子を網羅的に調べる検査が保険診療の検査として実施されています。難聴の遺伝学的検査は、難聴の程度や進行の程度を予測したり、難聴以外の症状を予測することができるなど、治療法の選択などにおいて有用な情報が得られ、患者さんに多くのメリットがある検査です。

遺伝学的検査を受けたいのですが、どこで受けられますか?

「若年発症型両側性感音難聴の遺伝学的検査」は保険収載されており、遺伝カウンセリング体制の整った国内の医療施設で検査が行われています。検査を希望される場合は、まず、かかりつけの耳鼻咽喉科にご相談いただき、お近くで遺伝学的検査を行っている施設を紹介していただくことをおすすめします。また検査結果の際には遺伝カウンセリングとともに返却されることが推奨されていますので、臨床遺伝専門医との連携が可能な施設での検査をお奨めします。

聴こえが急激に悪くなることはありますか?

若年発症型両側性感音難聴では、難聴が徐々に進行していく(年間1〜2dB程度)のが特徴であるため、一般的には急激に聴こえが悪くなることはありません。急激に聴こえが悪くなる場合には、他の原因による難聴の可能性が考えられますので、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

 

情報提供者
研究班名 難治性聴覚障害に関する調査研究班
研究班名簿 
情報更新日 令和5年11月(名簿更新:令和6年6月)