リンパ管腫症/ゴーハム病(指定難病277)

りんぱかんしゅしょう/ごーはむびょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

リンパ管腫症・ゴーハム病は悪性ですか?

悪性ではありません。しかし、リンパ管奇形(リンパ管腫)と違い、全身の骨や肺などの多臓器に浸潤します。また急激に増殖したり、病状が悪化すると命に関わる場合もあります。

リンパ管腫症はどんどん大きくなっていきますか?

詳しいことは、まだよくわかっていません。中には、発症してから急激に進行する方もいれば、自然に良くなったり、悪くなることを繰り返す場合もあります。

リンパ管腫症が自然に治ってしまうことはありますか?

自然に改善する場合もあります。

リンパ管腫症とリンパ管腫はどう違うのですか?

リンパ管腫症は全身の骨や肺、肝臓、脾臓などの臓器に小さなリンパ管のかたまりができる病気です。リンパ管奇形(リンパ管腫)は一部分のリンパ管が異常に膨らむ病気です。全身に多発することはまれです。例えば、嚢胞状リンパ管奇形(リンパ管腫)は頚部にできやすいと言われています。

リンパ管腫症はどうやって診断するのですか?

非常に珍しい病気なので、診断は難しいといわれています。原因不明の骨融解や乳び胸など、リンパ管腫症に特徴的な症状があった場合に、検査を進めます。確定診断のため、病変の部分を手術で採取し、病理検査をする場合もあります。

リンパ管腫症はどの科で診てもらえますか?

小児期に発症することが多いので、まず小児科に相談しますが、リンパ管腫症は全身にできる病気なので、病状によって様々な診療科が担当になります。骨に病気があれば、整形外科でみてもらいます。肺や乳び胸などで手術が必要な場合は、小児外科や胸部外科です。

治療は必要ですか?

病状によっては、自然に経過をみる場合もあります。困った症状がある場合は、何らかの治療を必要とするでしょう。

どんな治療法がありますか?

病気の程度や部位によって様々です。たとえば、骨の局所病変に対しては、外科的切除や放射線治療、硬化療法などを行うことがあります。胸水に対して胸腔穿刺、胸膜癒着術、胸管結紮術、胸腔腹腔シャント、放射線治療などを行います。また食事療法(高カロリー輸液、中鎖トリグリセリド、高タンパク食)を行うこともあります。薬物療法として、シロリムスが2021年9月にリンパ管腫症/ゴーハム病の治療薬として新たに保険承認されました。その他、インターフェロンやビスホスホネートなどの治療もありますが、これらは保険適応外の薬ですので、使用できません。

リンパ管腫症は手術で治るのですか?

局所の病変は切除で治癒する場合はありますが、再発などの可能性はあります。全身的に病気がある場合は、手術だけで治すことは難しいでしょう。乳び胸も様々な手術を行い、治療効果があることもありますが、治癒困難なこともあります。

命にかかわることはありますか?

中には、乳び胸が悪化して命に関わることがあります。骨だけであれば、通常は命にはかかわりませんが、場所によってはあり得ます。

 

情報提供者
研究班名 難治性血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形(リンパ管腫)・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年11月(名簿更新:令和6年6月)