非特異性多発性小腸潰瘍症(指定難病290)

ひとくいせいたはつせいしょうちょうかいようしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

どのように診断しますか?

採血検査で鉄欠乏性貧血と低アルブミン血症があり、消化管からの慢性的な出血がある場合や、難治性十二指腸潰瘍がある場合、非特異性多発性小腸潰瘍症を疑います。小腸切除後などで、画像評価が困難な場合もありますが、造影検査(X線検査)や内視鏡検査を行います。本症に特徴的な多発する小腸潰瘍や狭窄が見られ、他の疾患(腸結核、クローン病、腸管ベーチェット/単純性潰瘍、薬剤性腸炎、好酸球性腸炎、放射線性腸炎、虚血性小腸炎、地中海熱関連腸炎、リンパ増殖性疾患などの小腸腫瘍、感染性腸炎など)が除外できる場合に診断されます。また必要に応じて、遺伝子解析検査を行うことで確定診断します。遺伝子解析検査は、2024年6月より保険適用になっています。

遺伝する病気ですか?

遺伝性の病気です。しかし、この病気は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)病ですので、父親と母親からの染色体の両方ともに遺伝子の病的バリアント(変異)がないと発症しません。一方だけ遺伝子変異を持っている人のことを保因者といい、病気として発症はしません。日本人では、約500人に1人保因者がいます。遺伝子の病的バリアント(変異)だけでなく性別などの他の要因もありますが、保因者同士の子供は25%の確率でこの病気になる可能性があります。

 

情報提供者
研究班名 希少難治性消化器疾患の長期的QOL向上と小児期からのシームレスな医療体制構築班
研究班名簿 
情報更新日 令和6年10月(名簿更新:令和6年6月)