フェニルケトン尿症(指定難病240)

ふぇにるけとんにょうしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

この病気はどうやって見つかるのですか

この病気は新生児マススクリーニングの対象疾患となっています。生後数日に採血する代謝異常症検査で自動的に検査されます。

どのような症状をきたすのですか

新生児にはほとんど症状をみとめません。治療をせずに放置した場合、発達遅滞や赤毛・色白などの症状が見られます。成人患者さんが治療を中断すると、頭痛やうつ状態、神経症、認知能力の低下などの問題がみられます。

治療はいつから開始するのですか

新生児マススクリーニングで血中フェニルアラニン(Phe)の異常値を認め再検査でも高値を認めた場合に新生児期から治療を始めます。

治療はいつまで続けるのですか

普通に食事をして血中Phe値が推奨維持範囲に保たれている場合は治療を中止できます。しかし、成人になっても血中Phe値は360μmol/L(6mg/dL)未満にコントロールすることがすすめられていますので、もし治療を中止するとこの範囲を超える場合は生涯治療を続ける必要があります。

フェニルアラニンはどのような食べ物に含まれていますか

すべての蛋白質に含まれています。蛋白質の約6%がフェニルアラニンです。

妊娠中に胎児への影響があると聞いたのですが、そのような影響なく普通の子供を出産することができますか

妊娠中は胎児への影響を避けるため、血中Phe値を120~360μmol/L(2〜6mg/dL)の範囲に厳格に維持することが必要です。もし妊娠を希望する場合は妊娠前から出産まで、血中Phe値を120~360μmol/L(2〜6mg/dL)の範囲にコントロールすることで、元気な赤ちゃんを出産できます。

 

情報提供者
研究班名 新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症の成人期にいたる診療体制構築と提供に関する研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年12月(名簿更新:令和6年6月)