PURA関連神経発達異常症(指定難病343)

ぴーゆーあーるえーかんれんしんけいはったついじょうしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1.「PURA関連神経発達異常症」とはどのような病気ですか?

生まれつきのPURA遺伝子の異常によって、知的障害や運動障害などの神経症状をきたす病気です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?

正確にはわかっていませんが、これまでに193例が海外で報告されています。国内では、まだ遺伝子検査を受けていない人を含めて、約100人と推測されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか?

なりやすい体質のようなものはありません。遺伝子検査を受けていない比較的重度の神経症状の人たちでは、この病気が隠れている可能性があります。

4. この病気の原因はわかっているのですか?

5番染色体の5p31.3領域に存在するPURA遺伝子の片方(通常は父と母から1つずつ受け取り2つの遺伝子を持っています)が、働かなくなることが原因です。PURA遺伝子の中に病気をきたす変異がある場合と、PURA遺伝子を含む染色体領域が小さくかけている場合(微細欠失と呼びます)があります。

5. この病気は遺伝するのですか?

これまでの報告は突然変異のみで、家族例は報告されていません。一般論として両親いずれかの生殖細胞(精子か卵子)に患者さんと同じ病気の原因となる変異を隠れ持っている可能性(生殖細胞モザイク変異)がわずかにあります。その場合は、きょうだい(妹・弟)に遺伝する可能性があります。

6. この病気ではどのような症状がおきますか?

赤ちゃんの頃(新生児期)はからだが柔らかく(低緊張)、哺乳が難しいことが多いです。約半数の患者さんでは新生児期に睡眠時の無呼吸など呼吸の異常を示し、その半数で呼吸補助を必要とします。その後、首すわりなどの運動発達やことばの遅れがみられます。70%の方は1歳半頃に頚がすわります。37%の方は5歳頃に介助なしで歩行できるようになります。これまでのところ知的障害は全例に認められ、意味のあることばを話せるようになる方は10%未満です。てんかんは60%の方に認められ、発症年齢は平均3歳ですが、生後1日から18歳まで幅が広いです。20%前後の患者さんには、自分の思い通りにならない動き(不随意運動)や斜視、眼のふるえ(眼振)、視力障害などがみられます。

7. この病気にはどのような治療法がありますか?

根本的な治療法はなく、運動訓練やてんかん発作に対する服薬などの対症療法が主体です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか?

25歳以上の方が9名報告されています。全員からだがやわらかく、中等度から重度の知的障害を伴いますが、3例は介助なしに歩行可能です。神経症状は非進行性と考えられていますが、一部の患者さんでは歩けていたのが歩けなくなったり、突然死や呼吸障害などの併発症で亡くなられる方もいます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか?

呼吸や栄養、てんかん発作など症状に応じた対応が必要です。呼吸器感染症の予防は特にたいせつです。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

 

【用語解説】モザイク変異(もざいくへんい)
変異のある細胞と変異のない細胞が混ざった状態。精子か卵子に変異があると、変異がある受精卵から分裂増殖するすべての細胞に変異がありますが、精子か卵子に変異はなく、受精後の分裂増殖途中の細胞に変異が起きると、一部の細胞にのみ変異がみられ、他の細胞は変異がないので、変異のあるなしが混ざった状態になります。脳や血液など生殖細胞以外の細胞に変異はないけれども、精巣もしくは卵巣の生殖細胞に変異がある状態を生殖細胞モザイクと言います。生殖細胞モザイクを持つ方は、神経症状はなく、血液を用いた遺伝子検査でも異常は見つかりませんが、生殖細胞で変異のある細胞の割合に応じて、子どもに遺伝することがあります。

情報提供者
研究班名 稀少てんかんの診療指針と包括医療班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和7年4月(名簿更新:令和6年6月)