極長鎖アシル-CoA 脱水素酵素欠損症(指定難病344)
ごくちょうさあしる-こえーだっすいそこうそけっそんしょう
- 小児期では新生児マススクリーニング(NBS)という検査で診断されることが多いです。この検査では、生後間もない赤ちゃんのかかとから少量の血液を採取し、その中の脂肪酸代謝の異常を調べます。現在成人の方は、この病気についての新生児マススクリーニングを受けていない方が多いので、繰り返す筋痛や筋力低下、 横紋筋融解症 という筋肉が壊れて血中にその成分が流れ出るような症状を契機に診断される事があります。症状が出てから診断される場合には、血液検査でアシルカルニチン分析という検査を行うことで、特有の異常を確認します。最終的な病名の確定の際には、遺伝子検査を行うことで、原因となる遺伝子の変化を特定することが多いです。
この病気はどのようにして診断されるのですか?
- 適切な治療と管理が行われていれば、多くの患者さんは日常生活を送ることが可能ですが、病気の重症度によって生活への影響は様々です。いずれの場合も、急に強い症状が出現する急性発作や症状が悪化しないよう、食事や生活習慣、運動の質や量に注意する必要があります。特に、長時間の空腹を避けたり、激しい運動を控えることが推奨されます。また、感染症や体調不良時には症状が悪化するリスクがあるため、早めの医療対応が必要です。
この病気にかかると、普段の生活に支障がありますか?
- 遺伝学的検査に関する説明を受け、患者さんや代諾者から同意がいただける場合、遺伝学的検査の実施を検討します。遺伝学的検査は通常の採血を行い、血液中に含まれるゲノムDNAを検査します。本症の遺伝学的検査は保険収載されています。
遺伝学的検査を受けることは可能ですか?
- 現在、根本的な治療法はありませんが、食事療法や生活管理で症状を抑えることが可能です。食事療法では、食事の間隔を長く空けないようにして、空腹状態を避けることが重要です。その他にも、 中鎖脂肪酸 を含むMCTオイルやMCTミルクを摂取することが有効です。生活管理では、激しい運動や長時間にわたる体への負担を避ける必要があります。
風邪や胃腸炎などで代謝が乱れる時には症状が悪化するリスクが高まるため、早めに医療機関を受診し、ブドウ糖の点滴や適切な薬の処方を受けることが推奨されます。病気の重症度はそれぞれの患者さん毎に異なるので、定期的な診察で状態を確認し、対応を決めることが大切です。
治療法にはどのようなものがありますか?
- 現時点での完治は難しいですが、適切な治療と管理で多くの患者さんが社会生活を送っています。診断され、適切な食事療法や生活管理をすることで、症状の発作を予防したり軽減することができます。
この病気は治りますか?
- この病気では、長時間の空腹を避けることが大切です。こまめに食事や軽食を摂り、体がエネルギー不足にならないようにしましょう。また、脂肪をエネルギーに変える力が弱いため、過度に脂肪分が多い食事は控えます。中鎖脂肪酸(MCTオイル/ミルク)は脂肪ではあるもののエネルギーとして利用しやすいので、この病気の方に適しています。具体的な内容については、主治医や栄養士に相談してください。
食事で気をつけることは何ですか?
- 適度な運動は出来る事がおおいですが、激しい運動は避けてください。特に、強い負担がかかる場合には、「横紋筋融解症」を引き起こす可能性があがります。運動を行う際は、事前に中鎖脂肪酸を摂取することで症状を予防できる場合があります。
運動はどの程度しても良いですか?
- 発熱や感染症、空腹、激しい運動、ストレスがかかった時など、体に負担がかかる状況で症状が出やすくなります。エネルギー不足が続くと、低血糖や筋肉の問題が起こりやすいです。
どのようなタイミングで症状が出やすいですか?
研究班名 | 新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症の成人期にいたる診療体制構築と提供に関する研究班 研究班名簿 研究班ホームページ |
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情報更新日 | 令和7年4月(名簿更新:令和6年6月) |