高チロシン血症1型(指定難病241)
1. 「遺伝性高チロシン血症Ⅰ型」とはどのような病気ですか
フマリルアセト酢酸ヒドラーゼという 酵素 の異常により、アミノ酸の一つであるチロシンを代謝する過程が障害されて、血中チロシンが増加します。低血糖、アミノ酸やその他の代謝障害、凝固因子の低下、若年性肝臓癌、肝不全が進行する。近位尿細管においても細胞障害が出現し、アミノ酸尿、糖尿、代謝性アシドーシスなどのFanconi症候群が発症する。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
わが国での報告では数年に1人の発症です。2023年9月の時点で、先天代謝異常症患者登録制度(JaSMIn)には、1名の患者さんが登録されています。
3. この病気はどのような人に多いのですか
とくにありません。
4. この病気の原因はわかっているのですか
フマリルアセト酢酸ヒドラーゼという酵素の異常により、アミノ酸の一つであるチロシンを代謝する過程が障害されて、血中チロシンが増加します。
5. この病気は遺伝するのですか
常染色体潜性遺伝(劣性遺伝) 形式で遺伝します。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
生後数週から始まる肝腫大、発育不良、下痢、嘔吐、 黄疸 などが見られます。重症例では肝不全となり、無治療であれば生後2~3ヶ月で死亡します。肝障害の進行が緩やかなこともありますが、最終的には肝硬変、肝不全となります。また、腎臓の障害もみられ、低リン血性くる病、ビタミンD抵抗性くる病などがおこります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
ニチシノンを使用し、食事療法(低フェニルアラニン・低チロシン食)を併用します。早期に治療を開始すると約90%に効果がみられるといわれています。肝硬変、肝不全へと進んだ場合には肝移植が行われることがあります。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
早期に治療を開始すると約90%に効果がみられるといわれています。肝硬変、肝不全へと進んだ場合には肝移植が行われることがあります。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
食事療法(低フェニルアラニン・低チロシン食)が必要です。
10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。
該当する病名はありません。
11. この病気に関する資料・関連リンク
先天代謝異常症患者登録制度JaSMIn & MC-Bank
https://www.jasmin-mcbank.com/
研究班名 | 新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症の成人期にいたる診療体制構築と提供に関する研究班 研究班名簿 研究班ホームページ |
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情報更新日 | 令和5年12月(名簿更新:令和6年6月) |