複合カルボキシラーゼ欠損症(指定難病255)

ふくごうかるぼきしらーぜけっそんしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

なぜこの疾患で、がんこな湿疹ができるのでしょうか?

障害される4つの酵素のうち、アセチルCoA カルボキシラーゼ(ACC)は脂肪酸の合成に関与する酵素です。この酵素の活性が低下により脂肪酸合成が障害され、その結果皮膚バリアーに問題が生じ湿疹が生じるとされています。

なぜそんなに高用量のビオチンが必要なのですか?

ビオチンの摂取目安量は成人で1日あたり50μg(「日本人の食事摂取基準(2010年版)」)ですが、治療量はその100倍〜200倍の5〜10mgです。複合型カルボキシラーゼ欠損症のうち、ホロカルボキシラーゼ欠損症の場合、酵素が働きにくいためにビオチンを大量に補充し酵素の働きにくさを補っています。またビオチンは体内で代謝され再利用されますが、ビオチニダーゼ欠損症ではビオチンの再利用ができないため、毎回新しいビオチンを補充する必要があり大量のビオチンを必要とします。

 

情報提供者
研究班名 新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症の成人期にいたる診療体制構築と提供に関する研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年1月(名簿更新:令和6年6月)